遠方月影

明け過ぐに冠る曇と流る風が兆しを作して 皆いみじく聞こゆるにや言種は由無しと 跡継ぐ方は思い浮かぶも行く刃を知って 今一際望みなむと手を伸ばす 蹉跎過ぎ給えるか 仇なし時は来ぬのか 汀に至る己が 在りしは今の限りと 思ひ果てに至るは月浮かぶに遠く いずれ絶ゆこの世は時じく風に吹かれ 傳えるに足らぬような心ごころ流れゆき 昔日の跡に名残る言の葉は 名も无≠天に浮かみ やがて霞み暮るならばいつの日か巡り逢う 遠方の月影に