コーヒー、朝の呼吸

窓の外が少しずつ 水色に溶けていく カップの中 深い淵 最後の夢が沈んでいく 苦さの向こうに 甘さがいる 渦の中から 今日が始まる こぼさないで この温もり そっと そっと 飲み干すまで 湯気が指の隙間を 朝日のリボンに変える 豆の記憶──森の雨 すべてはこの一杯に 苦さの向こうに 甘さがいる 渦の中から 今日が始まる こぼさないで この温もり そっと そっと 飲み干すまで 世界はまだ 完全には 目を覚ましていないみたい それでいい ゆっくりと この時間だけは誰のものでもなく カップが空になる時 きっと きっと 何かが そっと始まる音がする