キーボード

眠れない夜の二時 画面だけが光る 打ち込んでは消す 「おやすみ」の三文字 送信ボタンに 指が少し震えて 既読がつくまで 息をひそめてる
カタカタ 小さな音が やけに優しく響いて 心臓の音を そっと包み込むの
キーボードの上 踊る指先が 伝えきれない想いをなぞってる 文字じゃ足りない でも文字しかなくて 今夜もまた 光を叩いてる
朝の「おはよう」と 午後の「お疲れさま」 なんでもない言葉が 特別になるの 文字だけの温度が 確かに熱くて 指の先まで 君で溢れてく
消して 書いて また消して 未送信の「会いたい」 真夜中の下書きばかりが増えてく
キーボードの上 迷子の指先が 泣きそうな夜を そっと撫でていく 言葉にできない でも言葉じゃなきゃ 届かないよ 光を叩いてる
もしも このキーが魔法になって 本当の声を届けられたなら 震える手をぎゅっと握って 「好きだよ」って ただ打ちたいのに
キーボードの上 ふたつの指先が たった今、同じ気持ちをたどった 文字じゃ足りない でも文字が繋いだ 今夜こそは 想いを送るよ
カタカタ… 消えないで カタカタ… 届きますように