君のいない速度

Lyrics: 大石司 Music: Tsuka コンビニの窓に映った 二人分の影が 肩を押し合って 立ち読みして笑ってた 吊り革揺れる車内で 同じタイムラインを見て オチを知ってる話で 何度も笑ってた ありふれた そのくり返しが ぼんやり擦れていこうとしてる 気づいた時にはチケットだけが 指先でくしゃりと鳴っている バス停に一つだけ 名前の消えたベンチ 隣に座るみたいに 鞄を置いてみる 新しい街への期待が 少しだけ薄くなる バス待ちの間だけ 君のいない速度になる ベランダに干し忘れた くしゃくしゃのシャツ 君と選んだ色なのに 少し薄くなっていた ダイアリーのすみっこに 約束 斜めに書かれてる 忘れてたあの日の午後が 青いインクで残ってた 頑張りたい気持ちの中に 君の顔をまだ混ぜている 忘れたい 忘れたくないだけが 目の奥でぐるりと舞っている 自販機の明かりだけ ポツンと光るベンチ 缶コーヒーの温かさ 包んで分け合ってた 今同じのを飲んでも 半分は冷めている 一口分の沈黙が 君のいない速度になる もしも知らない人として 街のどこかですれ違ったら 目を合わせない代わりに 歩幅を少しだけ合わせてみたい 追い越したり追い越されたり 順番なんてもうどうでもいい それでもきっと走り方だけ どこか少し似てるんだろうな 誰かのマフラーが 広がる終電のベンチ 拾わないまま見てる 息だけが白くなる 明日への矢印だけ 床に細く引かれてる その先まで続く線を 君のいない速度で行く イヤホンを片方だけ 開けたまま歩く帰り道 何も流れてない方に あの頃が 聞こえる気がする