夏霞の終わり

蝉の声が ふと途切れた 溶けた氷が 雫を落とす 信Hornの先 揺れる横顔 言えなかった 言葉が積もる 風が冷たく 腕をすり抜け 夏がそっと 幕を閉じる 触れたいのに 手を伸ばせず 二人きり 夜を待っている (遠ざかる足音) 坂道の途中 重なる影 追いつけない 季節の速度 空に滲む 橙の輪郭 触れられない 距離だけが 胸を締め付ける 夏霞に 隠した言葉 瞬く間に 散る光 君と見た 最後の景色 夜風だけが 知っている 花火みたいに 燃え尽きれば 痛みだけが 残るのに 笑ったまま 泣きそうな顔 夏が終わる 音がする 坂道の途中 重なる影 追いつけない 季節の速度 空に滲む 橙の輪郭 触れられない 距離だけが 胸を締め付ける 茜空に 溶けるシルエット 打ち上がる 夢の欠片 離した指 冷めていく温度 夜が深く 沈んでいく 夏霞が 包むこの街 瞬く間に 消える約束 触れたまま 離さないでと 声にならない 祈りが響く 時計の針 止まればいいと 願ったこと 覚えてる? 嘘じゃない 本当の気持ち でも今は 言わないで Xylophoneの音 響く部屋で 二人きり 息を止めて (ただそばに) 明日が来る ことを恐れて 夏を閉じ込めよう 夏霞に 隠した言葉 瞬く間に 散る光 君と見た 最後の景色 夜風だけが 知っている 花火みたいに 燃え尽きれば 痛みだけが 残るのに 笑ったまま 泣きそうな顔 夏が終わる 音がする (消えていく) 蝉時雨 遠ざかる 冷えたアスファルト 君の影 追いかけて 夏が終わる 夜が明ける (そっと)