極夜

街灯はまだ 夢の外側で揺れている 時計の針だけが 僕を起こしたまま 眠れない理由を もう数えるのをやめた カーテンの隙間 夜が呼吸してる 名前のない不安が 胸の奥で反響する 思考は深い海へ 静かに沈んでいく ここにいるはずなのに どこにも属していない 心だけが 別の座標を探してる 極夜の中で 影だけが長くなる 朝は来ると 誰かは言うけれど 光の記憶を まだ信じられずに 僕は目を閉じたまま 闇を見つめている 意味のない言葉を 頭の中で並べて 答えのない問いが 整然と回り続ける 現実と幻想の 境界線は曖昧で 本当の僕は どちら側にいる 孤独は音もなく 部屋を満たしていく 逃げるでもなく 抱きしめるでもなく 極夜の中で 心だけが浮遊する 終わりのない 夜を泳ぎながら 誰にも見えない 静かな悲しみを ポケットの奥で 温めている 世界の端で ノックされない扉 記憶は雪のように 音を立てず降る ここが現実なら 夢はどこにある? 問いだけが 僕の隣に座る 極夜の中で それでも呼吸をする 壊れそうな 希望を抱いたまま 朝を待つでもなく 夜を否定もせず ただ存在している それだけで 目を閉じれば 世界はまだ続いている 極夜の底で 静かに、確かに