ネオンの響き

ネオンが点る 人波の中 一番明るい場所で ふと止まる 誰かの笑い声 空気に浮かぶ ガラス越しみたいに 遠く響く 肩を叩かれ 振り返る 「誰かを待ってるの?」と声 答えにならない笑みを返す 少しだけ 横にずれる すべての灯りがついてる すべての顔が揺れてる なぜここに来たか忘れた でも自分のことは 思い出した 一番明るい場所で 上の空 一番騒がしい隅で 静かにしてる みんな踊って 話して グラスを掲げる 僕はネオンの 低い唸りだけ聴く 賑わいは誰かのもの 醒めてるのは 僕のもの すべての光の中に立って 自分の影が 伸びて 薄れるのを見てる 誰かがすれ違いざまに 一瞬の香りを残す 遠い夜に 同じ匂いを 嗅いだことを 思い出す あの頃はまだ 上の空になれず 賑わいのために 賑わってた 今はただ 隅を探して 誰かが夜を 使い果たすのを見てる すべての灯りがついてる すべての顔が揺れてる なぜここに来たか忘れた でも自分のことは 思い出した 一番明るい場所で 上の空 一番騒がしい隅で 静かにしてる みんな踊って 話して グラスを掲げる 僕はネオンの 低い唸りだけ聴く 賑わいは誰かのもの 醒めてるのは 僕のもの すべての光の中に立って 自分の影が 伸びて 薄れるのを見てる ネオンが 一度だけ 瞬く まるで 瞬きのように 細い路地に 身を返す 背後で 光が ゆっくりと 沈む