午前二時のフロア
まだ誰かのため息が光ってる
送信済みの画面だけ
やけに正しい顔をしてる
「お疲れ様」なんて言わない
言えば負けみたいな夜
同じ下向きのボタンに
指先だけが先に触れた
君は笑って譲るふり
なのに一歩目だけ奪ってく
安い礼儀と高いプライド
狭い箱には多すぎる
圏外の表示
鳴らない SOS
赤い灯りが暴く
ネクタイの奥のノイズ
奪いに来いよ
冷静な顔で近づくな
奪いに来いよ
息の音まで支配するな
落ちるなら一緒に落ちろ
逃げ道なら最初からない
B1 まであと少し
その前に全部、奪いな
ドアをこじ開けた先は
黒い縦穴だけだった
正論みたいな沈黙が
やけに耳障りだった
君の肩に足をかけて
天井の闇を押し上げる
見上げる目がうるさくて
出口よりそっちが危ない
汗が襟を濡らす
冗談じゃ済まない距離
非常灯の赤が
知らない顔を連れてくる
奪いに来いよ
冷静な顔で近づくな
奪いに来いよ
息の音まで支配するな
落ちるなら一緒に落ちろ
逃げ道なら最初からない
B1 まであと少し
その前に全部、奪いな
落ちたのは箱か
それとも僕らか
書類が舞って
雪みたいで笑えた
一ミリ先で止まったまま
世界だけが先に着く
「何もなかった」顔をして
指の跡だけ残していく
奪いに来いよ
冷静な顔で近づくな
奪いに来いよ
息の音まで支配するな
落ちるなら一緒に落ちろ
逃げ道なら最初からない
B1 まであと少し
その前に全部、奪いな
非常灯は消えた
でも君だけ赤く残った
Hostile takeover
承認は、まだしてない